バイヨン寺院・第一回廊のレリーフの特徴

カンボジア シェムリアップ国際空港から車で約20分、アンコール・トムの中央付近にあるバイヨン寺院。
バイヨン寺院の周囲を大きく囲うように存在している回廊の壁面にはとても長いレリーフが残っています。
全長600mにも及ぶ第一回廊には、クメール王朝時代にベトナム中風の沿海地方にあったチャンパ王国との戦いが記されています。
第一回廊のレリーフに描かれている人々の多くは槍と盾を持ちながら行進しているクメール軍で、途中には象にまたがっている指揮官もいます。
この時代、象は物資の運搬能力が非常に高いことや、戦いでも使われていたため権力の象徴だったとも言われているのです。
クメール軍の後ろには、軍隊についていく人々も描かれており、クメール軍の内乱が起きてしまった時の様子を描いています。
また、第一回廊の壁面では一面を使って描かれているものと、上下で違う絵が施されているところがあります。
例えば、上の面では水上戦が行われているのに対し、その下ではクメールの日常生活を見ることができます。
バイヨン寺院・第二回廊のレリーフの特徴
第二回廊は建物内部に存在し、こちらにも多くのレリーフを見ることができます。
第一回廊ではクメールでの戦いや人々の生活が見られましたが、第二回廊では主に仏をモチーフとしたものがたくさん存在していました。
ですが、ジャヤーヴァルマン8世がアンコール朝の王位に就いた際、ヒンドゥー教を信奉していたことからアンコールワット周辺にたくさんあった仏教寺院から仏像のほとんどを壊し、ヒンドゥー教寺院へと改造させてしまったのです。
これは2001年に壊された仏が大量に見つかったことから解明されました。
ただ、残っているレリーフもあり、それらは乳海攪拌やクリシュナ、ライ王の伝説といったヒンドゥー教に纏わる物語が描かれています。
他にも女官や踊り子といったレリーフを見ることができ、どれもその繊細なつくりに驚いてしまう程、立体的で美しい姿をしています。
第一・第二回廊にあるレリーフをよく見てみると少し変わった日常を描いているものもあります。
そういった細かな部分を見つけるのも面白いでしょう。
アンコール・トムへ観光に行った際は、バイヨン寺院の細かなレリーフにも注目してみて下さい。